オススメ本を紹介します

ようやく暇になったので、前に質問箱に来ていたおすすめ小説の紹介をしたいと思います。大変好みに偏りがあるので人によっては全然合わないかもしれないんですが、気が向いたらどうぞ、読んでみてください。

並び順に関してはわたしが最近読んだ順に並んでます。特に順位はつけてないので、全部私のおすすめだと思ってください。じゃあいきます。

 

「少女は卒業しない」──朝井リョウ

綺麗で切ない、正統派な青春小説です。廃校になる高校の卒業式を舞台に、いくつもの生徒の想いが交錯します。構成としては短編集になると思うんですが、主人公が話ごとに変わる中で舞台は一貫して同じ高校の同じ日なので、大変立体感があって味わい深いです。こういう構成が好きなひと、絶対にいると思うんですけど、っていうか私がそうなんですけど、おすすめです。

 

君の名前で僕を呼んで」──アンドレ・アシマン

ちょっと前に映画をやってました。私は映画を観たいなーと思っていたのに、思っている間に公開が終わってしまったので、じゃあとりあえずまず小説を読もう、と思ったのが読むきっかけです。恋愛小説ですね。

結構ボリュームがあるのと、聖書に絡むような比喩が沢山出てくるので、多少とっつきづらいかもしれないですが、細かい心理描写や情景描写が大変素晴らしい小説だと思います。読んでてちょっと辛くなります。恋をすることのもどかしさや不安、切なさが余すところなく描かれています。

10代の頃の恋ってそうじゃんね、ってなります。私もまだ10代ですが。タイトル回収の仕方も好きだった。おすすめです。

 

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」──桜庭一樹

なに小説と呼んだらいいかわからないですが、初めて読んだ時とても衝撃でした。中学生の主人公はある日、自分を「人魚」だと言う、エキセントリックな転校生と出会います。

これを読んだ時、生きようとすることってなんだろう、って思いました。瞬間瞬間が、鮮やかで苦しくて悲しいです。壮絶、なのに読んでいて瞳に浮かび上がる光景はなんだか静かで泣きそうになりました。おすすめです。

 

「ぼくは勉強ができない」──山田詠美

「放課後の音符」なんかでもそうでしたけど、山田詠美さんの小説って18禁じゃない?って思うんですよね。主人公の時田くんは勉強のできない人気者です。彼女がいて、男友達も女友達も、めっぽうモテる幼馴染もいるし、彼自身も女の子にモテる、いわば勝ち組です。一貫してブレない思考を持つ女の子たちがとても魅力的だし、時田くんの思考も魅力的です。なんていうかもう、盛りだくさんなので気になった方は読んでみてください。

小話ごとにタイトルがついていて、一応時系列順にはなってますが、小話ごとにきちんと完結するのでちまちま読みやすいです。「あなたの高尚な悩み」が個人的には1番好きです。

時田くんのことは好きだけど、現実にこういう人がいたら自分が惨めになるのでたぶん嫌いになってると思います。

 

「駆け込み訴え」──太宰治

急に近代文学じゃん。はい。

太宰治って、自分が活力に溢れてる時はなにをネチネチ言ってんだ?って思うんですけど、辛い時に読むとちょっと良かったりしません?くすりみたいなもんですね。

でも私、これは純粋に作品として好きかなって思います。最初、何の話だ?って思うんですけど、何だかわかった時にちょっと鳥肌たちました。愛情と憎悪が同居している、その葛藤の心理描写が超好きでした。誰かのことが愛しくて憎くてたまらないと、人間はこんな風になるのかなと思います。オススメです。

 

夢十夜」──夏目漱石

怪綺談とかちょっと怖い話にハマってた頃に読んだんですけど、よかったです。私は第三夜が好きです。みんなはどれが好き?

 

落下する夕方」──江國香織

江國さんの描く女の人たちがそもそも好きで、他にも色々読んだんですけど、落下する夕方の華子はダントツに好きです。どこがどうと上手く言えないんですが。江國さんの文章は繊細で柔らかくてそこがとても魅力だなと思います。結構好みがわかれそうでもありますが、おすすめです。

 

「君はポラリス」──三浦しをん

普通の恋愛小説に飽きた人にオススメです。恋というのは大変多様で、それが信仰や執着や尊敬や愛情と共にあるときの、それぞれの恋の形がそこにはあるんだと、初めて読んだ時にそう思いました。短編集です。私が1番好きなのは「夜にあふれるもの」です。拗らせてる人が読むと面白いんじゃないかなと思います。私も拗らせているので。

 

四畳半神話大系」──森見登美彦

ペンギンハイウェイの映画を観た時も思ったんですけど、森見さんはSFらしからぬ雰囲気でSFを描いていてめちゃめちゃすごくないですか?現実感のある肌触りからぬっとSFに連れて行かれる感じがとても好きです。

あと、純粋に文章がめちゃくちゃ面白いです。粋!!という感じです粋が文章を書くとたぶんああいう感じになります。

主人公は京都に住む男子大学生二回生であり、現状を嘆き、選ばなかった選択肢についてよく後悔をしています。構成がSF感が強くてとても好きなんですが、あんまり喋っちゃうとネタバレになっちゃうのでいえません。読んでください。

 

なんか長くなっちゃったのでこのくらいで!!!皆さんのオススメの小説もよかったら教えてください!!