シンエヴァ、覚え書き

こういう風に区切るとアニメシリーズのタイトルっぽい。

人の感想をあれやこれやと観る前に、とりあえず殴り書きをしておこうと思ってこれを書いている。人の感想に共鳴すると自分が何を考えていたのかよくわからなくなる。人類補完計画によって完全化された思考ってちょうどこんな感じなのかもしれないな。

そういうわけで冒頭から思い出せる限りの疑問とか考えたことを書いておこうかなと思います、ぐちゃぐちゃだし、ネタバレも多いので、読みたくない人は読まないでね!

 


先に断っておくと、私は群雄割拠の女性キャラクターの中でもマリがダントツに好きで、なので冒頭で“Excusez moi Eiffel!”と叫びながらエッフェル塔をぶん回すマリ、本当に最高だった。

以下、覚えておければいいなー程度なので箇条書きです。

・自分だけ中学生のまま周りが結婚して大人になってるのも嫌だし、友達が中学生のまま止まってるのもかなり嫌だな。どんな顔したらいいかわからんし、もう友達の距離で関われる気しないし。

・レイが感情を覚えていく様が手本のような無垢さで可愛い。

・中学生しかエヴァに乗れないのは、そのくらいの思春期の頃が1番感情的に豊かだからみたいな、そういうまどマギ的理屈があったりします?

・「何でみんなそんなに優しいんだよ」という気持ち、大変共感できる。

・人死にの描写、えぐすぎないですか?

・アスカが「ここは暮らす場所じゃなくて守る場所」って言ってたのかっこよかった〜

サードインパクトに備えて種子をかき集めて船に乗せる下りは旧約聖書ノアの方舟だなぁとなった、創世記ざっくりとしかわからんが

・マリ、いい女すぎる

・「何で殴りたかったかわかる?」の最適解が「選択しなかったから」なのか「いい加減モラトリアムはやめろ」という私へのメッセージにも思えてここかなり刺さりましたね…

・「私の方が先に大人になっちゃった」なんて言われたら、私は泣いちゃうな…

・アスカが使徒の力使うところ、一回悪堕ちしたキャラの特権感あってかっこいいよね

人類補完計画の内容自体は旧劇とそんな変わらんということでいいのかな

・均質化された、差異を持たない人類になれば孤独や疎外感や、他人との衝突をせずに済むって理屈自体は通るし、「人と関わるのが苦手!でも1人は嫌!」タイプの人間がこの思想に落ち着くのはわからんでもない

・母親の愛を求めながら父親殺すってギリシャ神話のオイディプスっぽいな〜と思ってたけど、そういう感じでもなかったですね

・鈴原サクラとあのピンク髪の子、かなり良い

・ていうか碇ゲンドウの回想にマリおるけど??

・あれマリじゃない?

・マリにしか見えないですが…

・死んだ妻にまた会いたいってわがままに全人類を巻き込む傍若無人さは確かに神っぽい

・13号機と初号機の喧嘩、アパートの壁が崩れたときにセットみたいなのが見えて、そういうメタフィジカルな落ちか?と思ったが、そもそもあそこは精神世界だった

・「ヤマアラシのジレンマ」の解消を図るために棘も皮膚も溶かそうとするのがゲンドウ、1個体で完全体を目指そうとしていたのがアスカ?

・カヲルくんは「今度こそ君を幸せにしてみせる」とか言ってたし、棺がめちゃくちゃ並んでたし、シンジのために何度も生まれ直してるってことですか?ほむらちゃん?

イスカリオテのマリアってなんなのよ そんで

・終盤にシンジたちがいる場所、カメラとかコントローラーとか照明などがあり、めちゃくちゃ撮影スタジオっぽいけど、何?メタ落ちにする気か?と思ってた

・あの世界はあれで終わり、エヴァのない世界に書き換えてここから創世を始めるという意味での3.0+1.0表記?

・別に文句はないんだけど、最近こういう、都合の悪い出来事や事物を無かったことにするために奮闘する話多い気がしている(「君の名は。」とかドラクエ11とか)

エヴァのない世界ならエヴァの呪縛もないからみんな大人になるんだよねって話?

・ていうか、マリ!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?

・マリ!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?

・ここにきてマリなのかよ びっくりした

・アスカかレイかで派閥争いしてたオタク、元気にしてるか?

・概ね楽しんだんだけど最終みんな良い相手見つけて幸せになるみたいな終わり方自体は肩透かし感あるよね そううまくいきませんし…

・まぁ別にエヴァンゲリオンシリーズは人生の教本とかじゃないので、良いと思いますが…

・ていうかマリなのかよ

・マリはアスカだろ

・マリはアスカだろって!!!!!!!!なぁ!!!!!!!

・マリはアスカのこと姫って呼んでたんだぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

・マリ!!!!!!!!!!!!!!!!

・失礼、取り乱しました

・それはそうとあのラストシーンを見たときに、現実が物語の一部になったというか、私たちの世界が映画の中に飲み込まれたみたいな、不思議な感覚になった。シンジたちが創世した世界に、あなたもいるのかもしれないよ、と言われたような…

・エンドロールが1番泣いた

宇多田ヒカルってマジで天才 みんな聴いた?

・「誰かを求めることはすなわち傷つくことだった」って歌詞、このシリーズの全てでありこの世の全てでもある

・One last Kissの後に全く違うメロディが流れ始めた時、「やはりな」って映画館でドヤ顔しちゃったわ

・プレオーダーの時にアルバムの中に謎の「トラック2」があって、宇多田ヒカルのファンの間では密かに「これ、もう一曲シンエヴァのための曲があるのでは?」と囁かれていたんですよね

・しかもbeautiful worldかよ、そしてアレンジ良すぎかよだいすき〜

・この映画のエンドロール長すぎるだろ

宇多田ヒカル2曲フル尺で流せるエンドロールの長さじゃん、それだけたくさんの人に手を貸してもらったってことですね

・おめでとう。

髪の毛、なんであんなに落ちてんの

どうもお久しぶりです。Twitterアカウントはございませんので、もう多分このブログを見てらっしゃる方もいないんじゃないかと思いますが、私は元気です。

 

ちょっと前にね、部屋を大々的に掃除しました。私の部屋ね、クソでかいカーペットがひいてあるんですよ。普段はそれの上から掃除機をかけるくらいのことしかしないんですけど、その時はそのカーペットをどかしてみたんですよ、出来心で。そしたらマジでそこに埃?砂?みたいなよくわからんゴミがめちゃくちゃ溜まってて、戦慄しました。

あとコロコロを買いまして。コロコロってコロコロで伝わるんすかね?あのテープみたいになっててコロコロしてゴミとるやつ。

したらもうさ、めちゃくちゃ汚れてるんすわ。なんであんな汚れてるの?おかしくないすか?何もしてないのに。何もしてないのにめちゃくちゃゴミ取れるんですわ。

 

何が1番多いかって、これが埃はもちろんなんですけど、髪の毛なんすよ。

人間の髪の毛って1日100本抜けてるらしいですね。100本ですよ?100本。

でその100本の髪の毛が気づいたら床に落ちてるワケですわ。これがめちゃくちゃ気になる。

整理整頓はできないんですけど、床に落ちてる髪の毛はマジで気になるようになったんですよ。いつからか忘れましたけど。とにかくもう嫌で嫌で、でもいちいち掃除すんのはマジでめんどくさいんですよね。でも髪の毛が落ちてるのは嫌だ。

 

どうすればいいかわかります?そう、剃髪です。そもそも髪の毛を落としてるこの私の毛根から、この大元から断ち切っていく、これが大事。

 

ということで、真剣に坊主にしてみようか考えたこともあったんですが、この間帰省したときにその話をしたら温和な祖母にニコニコしながら「坊主なんてやめて〜」と言われ、「えっ、勘当しちゃう?」と冗談混じりに訊いたら頷かれました。

でも確かに、いまだに坊主ってアブノーマルな感じしますね。金髪とか派手な髪色とかは都会だとたいして珍しくもないですけど、坊主だけはなんか、うおっ、坊主だ、と思ってしまいがちじゃないですか?

そんなことなかったらごめんなさい。

まぁでも、とりあえず坊主にするのは諦めました。坊主にまですると、そこから伸ばすの大変だし、あと坊主なのに部屋に髪の毛が落ちてたらめちゃくちゃ怖いから。

 

しかし人間、どうして生きてるだけでゴミを生み出してしまうんでしょう。

いや、ゴミって考え方がいけないんですかね?

ゴキブリって髪の毛一本で1ヶ月生き延びるっていう噂あるじゃないですか。私たちにとってゴミでも、ゴキブリにとっては貴重なタンパク質ってことですよね?

つまりはこれも命のサイクルのうちの一部なワケです。そう考えると、たかが新陳代謝、されど新陳代謝といった感じで、生命の神秘を感じなくもないですね。

 

まぁ、ゴキブリなんて見つけたら即殺すんですけど。

3日前に見た夢

実家で眠りに落ちる寸前まで携帯をいじりながら、好きなアニメについてなんじゃもんじゃ考えていた時の話です。

私は結構な確率で夢を見る人なんですけど、その日も夢を見ました。でもこれがねえ、なんとも説明し難いんですが、脳みそが働かなくなる夢だったんです。

脳みそが働いてないのか、思うとおりに体が動かないのか、どっちなのかよくわかりませんが、呼吸ができない夢なんですね。吸おう吸おうとしても体が動いてくれない。

 

死んだと思ったわ。マジで。

 

死んだ!!!!!と思って起きたら生きてたわ。

まぁそれだけなんですけども。

めちゃめちゃ怖かったですね。二度と見たくないです。

なんで寝てただけなのに“死”を感じないといけないんだよ。おかしいだろ。

 

それだけです。

ここまで読んでくださってありがとうございました。

どうみても宗教でした

ちょっと足を伸ばして観劇に行った日の帰りに、駅前で知らないお姉さんに声をかけられたんですね。「若者を対象にしたアンケートやってるんです。いまお時間よろしいですか?」って言われて、割と機嫌がよかったので快諾したんですが、これがどうも妙で、全然、書かないんですよね、お姉さん。

紙持ってるのに、ぜんっぜん書かねえじゃん、何??と思っていたら「この話題についてどう思います?」と聞かれて、人間関係だとか人生の目的だとか、生きる意味だとかまぁそんなようなことについてだったので、変わったアンケートだなぁと思いながら、うーんあんまり考えたことないですね、とお茶を濁していたら、じゃあ将来の夢とか、目標とかあります?って聞かれて、特にないですって答えたら、そういうセミナーをやってまして、よかったら説明だけでも聞いて行かれません?って言われたんですね。

この時点でもうなんか、明らかにおかしいじゃん。

アンケートどこいったん??????

でね、わたしもおかしいと思って、断ろうとしたんですよ。今日ちょっとこの後予定がありましてって。でもなんか、めちゃくちゃ引き下がってくるんですよね。

「えーでもここで別れたらもう二度と会えないような気がする!予定ちょっとずらせないかな?1時間で終わるからさ!」

ここで別れたらもう二度と会えないって何?口説き文句か?急にタメ口じゃん。

このあたりからこう、シンプルにめんどくさい思いが勝ってきてたんですね。人生観変わるとか、大仰なことも散々言われて、別にこのあとなんの予定もなかったので、だるいけど話だけ聞いて帰してもらおうみたいな思考にどんどんシフトしていって、あれよあれよという間に、ああじゃあわかりました、1時間だけ、と承諾をしていました。

マジ よくないです。もう本当に、今後の自分や周りの人のために言っとくんですが簡単に帰してもらえると思わないほうがいいですね。ぶっちゃけ最初のアンケートの段階で断っとくくらいがいいですし、なんなら駅前で立ち止まっちゃダメですね。負けです。

承諾をした後でですね、なんかよくわからないビルに案内されて、なんか閉鎖的な施設に連れてかれて、セミナーの説明を受けてたんですけど、1時間で終わらなかったし、心が死にました。わたしは人と話をしている最中はなんというか脳みそが完全に開いていて、相手の話をふーんって全部聞いちゃう癖があり、あと馬鹿みたいに嘘を信じちゃうところがあるので、なんだかその時も奇特な人がいるんだなぁ みたいな感覚でずっといたんですけど、帰り道で思い返すと宇宙を貫いている法則とか、人生の目的だとか、私たちのあるべき姿だとか、まぁそれっぽいことしか言ってないんですよね。1人になって考えるとすべてわかるんですけどね。

他人がいる環境だと頭が正常に働かないきらいがあるんですよね。本当に嫌だな。

そんなこんなでセミナー、思ってもなかったのになんとなくあー参加します〜とか言って、さっさと帰ってきちゃったんですが、帰りの電車の中でセミナーを主催している団体について調べたらバッチリ宗教法人でしたし、こういう手口についてのネット記事もありました。

流石にアホすぎて凹みましたね 時間を無駄にしたし あとなんか、徳が高そうなことばっかり話されて悲しくなりましたね。わたしは生まれ変わったら推しのコマの効果線になりたいって言ってるんですよ?本来あるべき姿なんて知ってどうするんですか?

本当に魔法のようにあれもこれもできるようになりますとお姉さんはおっしゃっていて、何かできるようになりたいことはありますか?と聞かれたんですが、口車に乗せられて判断力が鈍る前に断れるようになりたいなと思っただけでしたね。

最後まで頑なに自己啓発を目的としているみたいなこと言ってましたけど、どう見ても宗教です、本当にありがとうございました。

今後二度と引っかからないように、私は私で自分のためだけに教えや戒律をつくろうかなって思ったくらいでした。人生に目的がなくたって生きていていいし、死ぬまでわからなくても別に構わないと思うんですけど、どう思います?

なんで今更こんな話をしたかというと、数日前に新宿駅を歩いていたら遠くに見たことのある人影があり、向こうが「あっ…?」って顔をしてました。わたしも「あっ……」ってなりました。一瞬でしたけど、宗教勧誘してきたお姉さんでした。間違いありませんでした。お姉さん、「今別れたら絶対会えない気がする!」って言ってたけど、会えましたね。この野郎。

 

以上です、みなさん、宗教勧誘には気をつけてください。ここまで読んでくださって、ありがとうございました。

懺悔室

思いやりのない人、と一口に言っても、いろいろある。そもそも思いやる気がない人、相手の感情の機微はわかるけれどどうしたらいいかわからない人、後になってからああすればよかった、こうすればよかったなどと後悔の波が押し寄せてくる人、など。

私はどれだろうと少し考えたけど、全部だと思う。完全に気がつかない時もあるし、気が付いた上でなぜ私が思いやらないといけないんだ?と思ってがん無視することもあるし、地雷を踏み抜いてから相手の表情で「あっ、言ってはいけないことを言ってしまった」と気がつくようなこともある。共通するのは、私は基本的に人を思いやれないということだ。

そんなことを風呂場でくよくよと考えていたら、はっと思い出したことがあるので、今日はそれについて書こうと思います。小学生の頃の話です。最近は幼少期に分からなかったことがハッと今になってわかることがしばしばあって、情緒の成長というのはこういうことを言うんだと思います。人間に近づいています。嬉しいことです。

小学生の時、私には仲のいい友達がいました。低学年の頃同じクラスで、よく一緒に遊びました。いろんな遊びをしました。一緒に公園のブランコを漕ぎながらごっこ遊びをしたり、池の水をかき混ぜたり、スクーターで走り回ったり、それはもう色々と。でも一番頻繁にしていたのは多分、ままごとだったような気がします。家にはぬいぐるみやおもちゃがたくさんありました。ぬいぐるみを喋らせて物語を作るのが好きでした。ぬいぐるみを持ち寄って、どちらかの家でよく遊んでいました。

先に断っておくんですが、私は小学校時代が一番陰湿で、なんて言うかもう、最低な人間だったので、特定のぬいぐるみに嫌いなクラスメイトの名前をつけて遊んだりもしていました。それで鬱憤を晴らしていました。今思えばほとんど呪いの人形みたいなものですが、まあとにかくそうやって遊んだりもしていたんですね。

いつからだったか記憶が曖昧なんですが、モノがなくなるようになりました。水族館で買った腕がくっつくカメのぬいぐるみ二つのうち一つがなくなっていたり、保育園の時に貰った虹色のスーパーボールがなくなっていたり、ティアラを模したおもちゃがなくなっていたり。はじめ、私は気が付きませんでした。彼女が遊びにそれらを持ち寄るようになるまでは。

私は彼女に問い詰めました。どこで買ったの?どこで見つけたの?そう聞くと彼女は決まって、道で拾ったとかなんとか、見え透いた嘘をついていました。腹が立ちました。彼女のことを酷いと思いました。でもどうしてだか、このことを誰かに言いつけようだとか、金輪際付き合いを辞めようだとか、そういう選択肢は自分の頭の中に少しも湧いてきませんでした。遊びに行くことも家に招くことも、特にやめることはありませんでした。

ただそれからは彼女に怒りをぶつけるようになりました。自分がなぜ怒っているのかは明かさずに、こんなこともわからないのか、という思いで。今にして思えば、それは私のものだから返して欲しいと言えば済む話で、それで返してくれなければ付き合いをやめればいいだけの話です。でも私にはそれができませんでした。

そうこうしているうちにクラス替えがありました。彼女とは別のクラスになって、いつの間にか二人ともままごとには興味もなくなって、遊びといえば専ら漫画やゲームになりました。なくなったもののことを忘れることはできませんでしたが、でもまあ、別にいいや、と思うようになりました。中学に上がると時折廊下で会って挨拶を交わす程度の仲になり、別々の高校に進学して、滅多に会わなくなりました。

ただなんとなく魚の小骨みたいに私は当時の出来事が引っかかっていて、それでふと思い出したことがあります。小学生の頃の私には思いやりというものが全くなく、相手にどんな迷惑がかかろうとどうだっていい、という思考の元、傍若無人な振る舞いをしてきました。だから、当時は全く印象に残っていない光景やシーンが、時々フッと頭の中にわいてくる事があって、そういう時は大抵自分がやらかしていた時の記憶なんですけど、それで思い出しました。彼女との遊ぶ約束をドタキャンして他の子と遊んだり、電話口で遊びの誘いに乗っておいて彼女が家に来たら「やっぱり遊べない」と言い放ちごめんも言わずにドアをしめたり(これには一応事情があったのですが割愛します)、まあとにかく、彼女からしてみたら酷いと思われて当然の記憶の数々を。

多分彼女は全部知っていたんだろうと思います。それでも私と遊んでくれたし、遊びの時には私の家から取って行ったおもちゃやぬいぐるみを持ってきて、多分私に怒って欲しかったし、謝りたかったし謝って欲しかったんだろうと、今ならそれがわかるわけです。二人とも怒りや不満を相手に伝えるのが下手だったんですね。きっと。多分。

最近はこんな風にして周回遅れに自分の過失に気がつく事が増えて、とても辛い反面、きちんと生きているのだなあと実感します。そういうお話でした。ここまで読んでくださった方、いるかわかりませんが、ありがとうございました。

飽くなき挑戦

メモ帳からオムライスへのあくなき挑戦の模様が発掘されたのでここで公開します。

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ケチャップどうしてそうなったの???あとめちゃくちゃ半熟。いや半熟好きだけど普通ふわとろってそうじゃないじゃん。何?おまえ。センスゼロか?ボケが。あと野菜の焼きが甘くて人参がめっちゃ硬かった。多分生だと思う。どうしてそういうことになるの??????コンソメをちゃんと使えよ なめてるのか マジで
2019/01/18

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鶏肉が生臭い。ケチって買ったバター三分の一のやつ全然美味しくない。変な匂いがする。ケチャップの賞味期限が今日だった。あと何で卵そんなにゴワゴワなの??ふわとろオムライスはどこへ行った???足りない材料をよくわからないもので代用しようとするのをいい加減やめろ

2019/02/02

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ケチャップが終わりました。卵をふわとろにするために牛乳を入れてみたけど、多分量が少し多かったのだと思います。鶏モモより鶏むね肉とかささみとか使った方が生臭くなくて美味しいかもしれない。人間の味に近づきつつある。

2019/02/12

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だいぶいい感じじゃない?????ケチャップ、新しいのを買いました。お肉はベーコン。調子に乗ってブロッコリーも乗せてみました。いいね。はい。味も良かったですね。あとはもうこれが、すっと、こう、卵がすっと、のれば最高じゃない?

っていうかなんで私はこんなにオムライスに執着してるんだ??????
2019/02/20

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大根おろしが余っていたのでめんつゆを駆使して和風オムライスにしてみた。絵面はよろしくないが味は普通に美味しい。めんつゆは大変有能である。

鶏肉に関しては、特定の部位が生臭いというよりは安い肉が生臭いんではないかと思い始めた。これは鳥モモ肉を使ったけど普通に美味しかったので。
2019/02/22

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まじでむり。何?私はなんでこんなことをしているんだ?滅ぶべきは私なのか?人類ではないのか?は?黙れゴミ。

卵でうまく包もうとしたけどできなかった。結局私には何もできない。何も生み出せない。何も救えない。私は生きて喋るだけのゴミ。さようなら。グッバイマイフレンド。あっ、友達いなかったわ…………

2019/03/04

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何にも感じなくなってきた。結局美味しいとか美味しくないとか、生臭いとかそうじゃないとか、そんなのは主観に過ぎないんじゃないだろうか。私たちは五感に踊らされている。そうやって生まれて、そうやって死んでいくのだ。

2019/03/31

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わたしはいったいなにをしているんだろう。オムライスをうまく作れるようになったからなんだって言うんだろう。ケチャップがもう直ぐ終わりそうだ。なんだってこんなことをしているんだろう。それしか作るものがないのか。

 

20××年○月▲日

女はなんだか、自分がひどく愚かなものに思えてきました。気が付いたらいつもオムライスを作っているのです。写真に撮るのも馬鹿らしくなるくらいたくさん作ってたくさん食べましたが、どれも女の理想とするオムライスではないのでした。それなのに、それでも女は、オムライスを作り続けていたのです。まるでオムライスに取り憑かれていると、気が付いた時にはもう遅いのでした。空に浮かぶ満月がオムライスに見える夜もありました。いつものようにチキンライスを作ろうと具材を炒めていたとき、女は突然、オムライスが恐ろしくてたまらなくなりました。

女は家を出て電車に乗りました。一番後ろの車両に乗って、遠ざかる景色をぼんやりと見つめていました。それより他にすることがないような気がしたからです。景色は左から近付いてきたと思えば瞬く間に右側へ遠ざかっていくばかりで、永遠に触れることはできません。遠くの景色は初めから眺めることしかできず、近くの景色は直ぐに遠ざかっていくのです。女は悲しくなりました。電車を降りて、生暖かい風に頬を撫でられながら、ホームを歩き、改札に向かいました。そこは降りたことのない駅でした。

改札を出ると、たくさんの人がそこにはいました。「もう一軒行こうぜ」などと騒いでいる大学生グループ、「じゃあまたね」と改札を挟んで手を振り合うカップル、ティッシュを配るアルバイト、改札のそばのベンチに座って彼氏が彼女に「ちゃんと話せよ」と怒っている険悪なカップル…。太陽は西へ傾いていき、それらすべての景色をオレンジ色に染めていきます。女は誰もいないワンルームで一人、オムライスを作っていた時のことを考えました。カーテンを閉め切ったワンルームには夕日が差し込んでくることはありません。

女はもう一度電車に乗りました。視界の端から視界の端へ流れていく景色を見ても、もう悲しくはありませんでした。夕日はビルをオレンジ色に染めています。家に帰って、ベランダのカーテンを開けて、作りかけのオムライスを見つめました。引っ越してから初めてオムライスを作った時も、こんな風に見事な夕日が窓から差し込んでいました。その日も女は満足とは言えない出来のオムライスを作りましたが、もう恐ろしくも、虚しくもありませんでした。

女は気がつくと、テーブルの前に座っていました。テーブルの上のオムライスは既にありません。女が食べたからです。あとにケチャップのついた空の皿が一枚と、使用済みのスプーンが置いてあるばかりでした。

オススメ本を紹介します

ようやく暇になったので、前に質問箱に来ていたおすすめ小説の紹介をしたいと思います。大変好みに偏りがあるので人によっては全然合わないかもしれないんですが、気が向いたらどうぞ、読んでみてください。

並び順に関してはわたしが最近読んだ順に並んでます。特に順位はつけてないので、全部私のおすすめだと思ってください。じゃあいきます。

 

「少女は卒業しない」──朝井リョウ

綺麗で切ない、正統派な青春小説です。廃校になる高校の卒業式を舞台に、いくつもの生徒の想いが交錯します。構成としては短編集になると思うんですが、主人公が話ごとに変わる中で舞台は一貫して同じ高校の同じ日なので、大変立体感があって味わい深いです。こういう構成が好きなひと、絶対にいると思うんですけど、っていうか私がそうなんですけど、おすすめです。

 

君の名前で僕を呼んで」──アンドレ・アシマン

ちょっと前に映画をやってました。私は映画を観たいなーと思っていたのに、思っている間に公開が終わってしまったので、じゃあとりあえずまず小説を読もう、と思ったのが読むきっかけです。恋愛小説ですね。

結構ボリュームがあるのと、聖書に絡むような比喩が沢山出てくるので、多少とっつきづらいかもしれないですが、細かい心理描写や情景描写が大変素晴らしい小説だと思います。読んでてちょっと辛くなります。恋をすることのもどかしさや不安、切なさが余すところなく描かれています。

10代の頃の恋ってそうじゃんね、ってなります。私もまだ10代ですが。タイトル回収の仕方も好きだった。おすすめです。

 

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」──桜庭一樹

なに小説と呼んだらいいかわからないですが、初めて読んだ時とても衝撃でした。中学生の主人公はある日、自分を「人魚」だと言う、エキセントリックな転校生と出会います。

これを読んだ時、生きようとすることってなんだろう、って思いました。瞬間瞬間が、鮮やかで苦しくて悲しいです。壮絶、なのに読んでいて瞳に浮かび上がる光景はなんだか静かで泣きそうになりました。おすすめです。

 

「ぼくは勉強ができない」──山田詠美

「放課後の音符」なんかでもそうでしたけど、山田詠美さんの小説って18禁じゃない?って思うんですよね。主人公の時田くんは勉強のできない人気者です。彼女がいて、男友達も女友達も、めっぽうモテる幼馴染もいるし、彼自身も女の子にモテる、いわば勝ち組です。一貫してブレない思考を持つ女の子たちがとても魅力的だし、時田くんの思考も魅力的です。なんていうかもう、盛りだくさんなので気になった方は読んでみてください。

小話ごとにタイトルがついていて、一応時系列順にはなってますが、小話ごとにきちんと完結するのでちまちま読みやすいです。「あなたの高尚な悩み」が個人的には1番好きです。

時田くんのことは好きだけど、現実にこういう人がいたら自分が惨めになるのでたぶん嫌いになってると思います。

 

「駆け込み訴え」──太宰治

急に近代文学じゃん。はい。

太宰治って、自分が活力に溢れてる時はなにをネチネチ言ってんだ?って思うんですけど、辛い時に読むとちょっと良かったりしません?くすりみたいなもんですね。

でも私、これは純粋に作品として好きかなって思います。最初、何の話だ?って思うんですけど、何だかわかった時にちょっと鳥肌たちました。愛情と憎悪が同居している、その葛藤の心理描写が超好きでした。誰かのことが愛しくて憎くてたまらないと、人間はこんな風になるのかなと思います。オススメです。

 

夢十夜」──夏目漱石

怪綺談とかちょっと怖い話にハマってた頃に読んだんですけど、よかったです。私は第三夜が好きです。みんなはどれが好き?

 

落下する夕方」──江國香織

江國さんの描く女の人たちがそもそも好きで、他にも色々読んだんですけど、落下する夕方の華子はダントツに好きです。どこがどうと上手く言えないんですが。江國さんの文章は繊細で柔らかくてそこがとても魅力だなと思います。結構好みがわかれそうでもありますが、おすすめです。

 

「君はポラリス」──三浦しをん

普通の恋愛小説に飽きた人にオススメです。恋というのは大変多様で、それが信仰や執着や尊敬や愛情と共にあるときの、それぞれの恋の形がそこにはあるんだと、初めて読んだ時にそう思いました。短編集です。私が1番好きなのは「夜にあふれるもの」です。拗らせてる人が読むと面白いんじゃないかなと思います。私も拗らせているので。

 

四畳半神話大系」──森見登美彦

ペンギンハイウェイの映画を観た時も思ったんですけど、森見さんはSFらしからぬ雰囲気でSFを描いていてめちゃめちゃすごくないですか?現実感のある肌触りからぬっとSFに連れて行かれる感じがとても好きです。

あと、純粋に文章がめちゃくちゃ面白いです。粋!!という感じです粋が文章を書くとたぶんああいう感じになります。

主人公は京都に住む男子大学生二回生であり、現状を嘆き、選ばなかった選択肢についてよく後悔をしています。構成がSF感が強くてとても好きなんですが、あんまり喋っちゃうとネタバレになっちゃうのでいえません。読んでください。

 

なんか長くなっちゃったのでこのくらいで!!!皆さんのオススメの小説もよかったら教えてください!!