私はアリシアを許さない

秋ですね。寒いです。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。

今日はですね、ちょっとマジメに、最近やった面白かったゲームの話をしようと思います。

知り合いの勧めでLIVE A LIVEというゲームをやりました。ていうか実はまだ正規のエンディングにたどり着いてないんですが、でも書きます。あとちょっとなので。

いや、たどり着いてから書けよって感じなんですけど、私絶望的に不器用なので、全然あの、ボス戦とか関係ないところで今詰んでるんですよね。まあそんなことはどうでもいいや。

これ、旧作のゲームで、私はバーチャルコンソールでやりました。

所謂オムニバスRPGというもので、原始編、幕末編、功夫編、西部編、現代編、近未来編、SF編が最初の画面で選択可能です。やる順番も自由。

それぞれ特徴があって面白いのでご紹介しますね。私は別にスクエニの回し者ではないです。

 

まず、原始編から。サブタイトルは「接触」です。その名の通り舞台は原始時代。言葉によるストーリー進行が一切ないRPGです。この時点で面白じゃん。言葉がないのでマイユニを含むキャラクターたちの表情が一番豊かです。ただぼーっとしていると次何するのかわからなくなります。あとマイユニの名前が変えられるんですけど、選択できない文字があるんですよね。これが要するにマイユニの部族にはない文字があるってことを暗に示しているんですけど、そういう世界観への作り込み…好き…以上です。

 

次、幕末編です。これ、キャラクターデザインが青山剛昌…。マイユニの名前はおぼろ丸(変更可)なんですけど、推せる…。サブタイトルは「密命」です。要人の救出のため、忍者、おぼろ丸がお城に忍び込みます。

ストーリーそのものはシンプルですが、やり込み要素が多くて、城の中にいる敵、総勢100名の人間を全員斬ってもよし、隠れて0人斬りを目指すもよし、それによって取得アイテムが増えたり色々します。斬った人間の数を律儀に数えるおぼろ丸が可愛いです。この編の一番好きな隠し要素が城を出て密命など捨ててしまうやつで、まぁこれは全然正規のストーリーに繋がらないんですけど、抜け忍になったおぼろ丸も推せると思います。以上です。

 

長いな。ごめん。功夫編です。これ、(クンフー編)って読むらしいです。さっき初めて知った。サブタイトルは「伝承」です。マイユニは心山拳の師範のおじいちゃんです。おじいちゃんが弟子を探すところからストーリーは始まります。弟子候補が最終的にユン、レイ、サモの3人集まるんですけど、私はレイちゃん推しです。レイちゃん、紅一点です。このゲーム全ての中で。あと男前ですごい好き。

おじいちゃんは全然レベル上がらずに、弟子がどんどん成長していくシステムですね。これストーリークリア前とクリア後でストーリー選択画面に変化があるんですけど、私それだけでちょっと泣きそうになります。

 

ネタバレを避けて良さを伝えようとするのって難しくない?西部編いきます。

ハードボイルド。結構短いです。あと戦闘が実質1回ですね、実質。回復アイテムが酒なのがツボでした。これ、ボス戦の時に押し寄せてくる大軍を、事前に罠を仕掛けて数を減らすことが可能なんですけど、私はセンスがなさすぎて二人しか減らせませんでした。何がいけなかったんでしょうか。

 

現代編です。サブタイトルは「最強」 最初誰のことも倒せなくて、詰んだ…と思いました。これも短いかな。最強を目指して戦います。ストーリーは戦闘のみの構成になってます。マイユニは相手の技を受けることで、相手の技を習得していきます。こんな奴が敵にいたら絶対に嫌だ。

 

近未来編いきます。サブタイトルは「流動」です。マイユニのアキラが死ぬほどかっこいいことで私の中で有名です。主人公というのが一番似合う。アキラは超能力を持っていて、本心を覗くことができます。こんな奴が現実にいたら絶対に嫌だ。ロボットアニメ色が強いです。あとコメディ色もあるので割と明るい気持ちでできますね。アキラもだけど、多分この編で一番かっこいいのはたい焼き屋さんです。

 

SF編です。私の最推し編です。サブタイは「機心」です。マイユニは可愛いロボットのキューブです。宇宙空間を航行する船の中にいるんですが、次々にいろんな事件が起こります。戦闘一切なしのSFホラーです。ホラーは一切ダメだと思ってたんですけど、これをやって、ホラーって面白いな…と思いました。SFホラーなら全然いけることに気づかせてくれたゲームです。

トラブルに遭いながら疑心暗鬼になって言い争ったりする人間たちを、一台のロボットの視点で描かれるのがなかなかに新鮮で面白いです。普通に全然怖いです。

 

紹介した全ての編をクリアすると、ストーリー選択画面に新たな編が追加されます。以降ネタバレを含むので、ダメな人はブラウザバックしてどうぞ。というかこれ、需要があるんですかね?まあいいや。このゲーム、オススメです。

 

追加されるのが「中世編」です。サブタイトルは「魔王」

ここまで読んでいただくとわかるんですけど、このゲーム、RPGらしいRPGが一つもないんですね。でもこの中世編は、設定も舞台もかなりRPGらしく始まります。舞台は中世のお城。剣闘大会で優勝した主人公オルステッドが、王の娘アリシアと婚約します。しかしその夜、アリシアが魔王の手によって攫われてしまう。オルステッドはライバルでもあり、親友でもあるストレイボウとともに、魔王を倒す旅に出ます。めちゃくちゃRPGらしいじゃん。ですが!!!!!!!!!!!この先に!!!!!!!とんでもない爆弾が!!!!!あるんですね。

まずですねあの、先代の勇者というのが山に籠っているので、その人と僧侶のおじいさんを引っ張り出してきて、一緒に魔王山まで行くんです。で、倒すんですけど、魔王を。そうすると先代の勇者が、「あれは偽物」みたいなこと言うんですよ。は??と思っている間に部屋が崩れ始めてですね、オルステッドとおじいさん(ウラヌス)は逃げ果せるんですが、勇者と親友のストレイボウが逃げ遅れ、おそらく生きてはいない…そしてアリシアも取り戻せぬまま、とりあえずお城に帰ります。

夜、目が覚めてしまったオルステッドが、玉座の間に行くと、そこに魔王の影があるんですよね。で、そいつを倒すと、王様が血まみれで倒れてるわけです。「は????」と思っている間に、衛兵に「貴様!!王を!!」と言われて、勇者もストレイボウもお前が殺したんだろと言われるんですね。その時はウラヌスの機転によって逃げ果せるんですが、戻ってくると牢にぶち込まれます。隣の牢にウラヌスがいて、自分にはもう何もないけど、お前は大切なものがあるだろ、と言って牢から出してくれます。セリフはほぼうろ覚えですが。

大切なもの、そう、アリシアですね。オルステッドは再び魔王山へ向かいます。部屋に仕掛けを見つけて、さらに奥の奥まで進んで行くと、そこにいるのは、死んだと思っていたストレイボウなんです。

は????と思っていると、ストレイボウはいつも自分が二番であった劣等感、オルステッドへの嫉妬、憎しみをぶちまけ、魔王山で仕掛けに気がついたとき、オルステッドを出し抜いてアリシアを助ける計画を思いつき、自分が死んだように見せかけて、おまえに王殺しの罪を着せた、それでもお前はここに来やがった、みたいなことを言います。要するに全ては親友ストレイボウによって仕組まれていたことで、魔王は既にいないんです。このシーン、ストレイボウの人間臭さがとても出ていて好きです。

そしてストレイボウとの戦闘が始まり、でも結局勝つのはオルステッドなんですね。ストレイボウが倒れると、奥から出て来たのはずっとオルステッドの精神的支柱だったアリシアでした。でも彼女はオルステッドを拒絶し、ストレイボウを擁護し、「あなたには負けるものの気持ちなんてわからない」と詰り、その場で自殺します。

は…???と思っていると、それまで一言も話さなかったオルステッドが喋り始めるんですね。もう自分は全てを失った、何もない。魔王なんてどこにもいなかった、なら自分が魔王となり、人間どもにその愚かさを教えてやる、みたいなことを言って、彼はオディオと名を変え、魔王になります。そこでエンドです。

とにかく初見でやってる頃は「は…?」の連続なんです。あと民衆の手のひら返しもすごい。最後までいい人なのはウラヌスと、オルステッドに憧れているちっちゃい子くらいなもので、一番ひどいのがアリシアね。

この後、さらにストーリーが追加されて、オディオを倒すために今までのオールスターが集結する話が始まるんですけど、その時にもなおまだアリシアのことを思っている感があるんですよね。もう忘れろよそんな女のことは。

ストレイボウの心理っていうのはそこそこ共感できるものがあるんですけど、マジ、アリシアに関してはお前なんもしてねえじゃん感がすごい。「この人はあなたのせいでいつも苦しんでいたのよ」とか言うんですけど、お前が言うなって感じですよ。作中でもゲームオーバーになるたびにアリシアが「助けて…」とか言うし、めちゃくちゃ彼女のことを思い出している描写があるのに、あるのにこの仕打ちですよ。可哀想すぎない?ばか長くなってしまったのでこのあたりで打ち止めにしたいと思います。

ゲーム自体はめちゃくちゃ面白いのでオススメです。中世編は、所謂RPGの、勇者像へのアンチテーゼなんじゃないかな、と思います。

それはそうだとしても、私はアリシアを許さない。絶対にだ。